2009年 表紙

2008年保育カレンダー

 今、子どもたちを取り巻く社会状況は深刻化する一方です。地球温暖化、食の安全、平和の問題、格差社会のゆがみを象徴する事件が次々と起こり私たちを震撼とさせます。少子化対策が叫ばれて久しくなり、施策がいろいろ出されますが、福祉予算は減額の一途をたどり、有効な手立てはないままです。安心して子育てできる社会には程遠いのが現状です。

 今年のカレンダーでは、広汎性発達障がいと診断された子どもが専門家のアドバイスをうけながら粘り強い保育の中で、みごとに人と交わる力を身につけていった様子が語られています。子どもがどんな弱さを持っていても、大人が発達に適した手立てをとれば子どもは育つ力を持っていることを教えてくれます。また、子ども主体の保育に出会い、それまでの大人主導の保育から切り替えていった保育園が紹介されています。子どもたちの生活は生き生きとしたものに変わり、その姿をみて大人たちは大きな力もらいました。目の前の子どもたちの真の成長を願う真摯な気持ちが、保育を変えさせたのではないでしょうか。

 人間としての土台となる乳幼児期には(1)五感を育てる(2)運動機能を育てる(3)能動性を育てる(4)交流する力を育てることが大切です。保育園、幼稚園には、園と家庭が協力し合い、〈早寝・早起き、3度の食事、自然の中で仲間とともに体を思い切って動かし遊ぶこと〉を大切にする生活があります。この保育カレンダーには全国各地の仲間たちの子育ての知恵と力が精一杯つめこんであります。子育てに保育に悩んだとき、一歩を踏み出す力になれば幸いです。

年長のリズム

 大半の子どもたちが6歳をむかえる頃になると、手先や足先までをも自由に意のままに動かせるようになる。走るスピードも増し、スキップ・ポルカ・ギャロップなど基本ステップを、ピアノに合わせて軽やかに踏み、竹を使った「ベトナムの竹踊り」は四拍子の曲に合わせて跳べるようになる。
 卒園期になると膝や足先まで伸ばした側転を、みんなが楽しむようになる。また背骨がしっかりし、しなやかになると、足を広げ胸とあごが床につけられるようになる。これをお友達と2人組になり、曲に合わせて上半身を倒したり横に曲げたりするリズムも大好きになる。また勇気を出して挑戦する気持ちも育ち、軽やかに5段のとび箱を跳び越す姿は、小さな子どもたちの憧れになる。
 そして一人ひとり手作りの道具袋の中にある“こま”“まり”“手あみのなわとび”をつかって、大勢の仲間と楽しむようになる。子どもたちは「リズムは楽しい!」「もっとステキになりたい!」と、時には100人を越す仲間のなかでも凛とした姿がある。

発行:保育カレンダー編集委員会 
宮城県登米郡迫町佐沼字錦132-2(錦保育園内)TEL0220-22-2647 FAX0220-22-8757