1952年(昭和27年)にお寺の境内で開設した保育園が原点です。雪国として知られる越前の山あいに位置し、子どもたちは四季を通じて自然にたっぷり触れて生活をしています。1995年(平成7年)には園舎を移転新築し定員50名となって現在に至ります。43年目にして「さくら・さくらんぼ保育」に出会い“子どもが意欲的に育っている”と感じ、“こんな子どもたちを育てたい”と関西地域の交流園から保育を学んできました。
この子は1歳6ヵ月で入園してきました。他からの転園ということもあり、不安からよく泣いていたので、担任はこの子との信頼関係を築くことを大切にしました。また生活リズムが乱れていたため、元気に過ごせるように「早寝早起き」の重要性を保護者へ繰り返し伝えました。生活リズムが整うと気持ちの切り替えも早くなり、明るく前向きになっていきました。
活発に動いて遊ぶというより、静かにおままごとのような遊びを好むおっとりとした子でした。また何事にも慎重で、初めてやる遊びやリズムあそびでは一歩引いて見ている姿があったので、担任は「ちょっとだけやってみようか」と誘い、怖いという思いを受け止めて、この子のペースでゆっくりと一つずつ取り組みました。4歳頃からは気持ちが引くことがなくなり、卒園期を迎える頃には難しいことでも意欲的に挑戦し、前向きに頑張るようになりました。
この絵は、早春の山を散歩した時のふきのとう採りを描いたものです。時間をかけてとても丁寧に取り組んでいました。