2017年 表紙

 発刊20年目となるこの『保育カレンダー』は、子どもたちが大人たちに温かく見守られる中で「自然やすぐれた文化に触れ仲間と共に各年齢を生ききる保育が、世に広がってほしい」という願いで編集されてきました。
 保育園へわが子を入れてもらえなかった親が、不満をインターネット上へ書き込みそれがきっかけで、保育を取り巻くさまざまな課題が社会問題になって国会にまで取り上げられました。国は、待機児童解消加速化プランを進めていますが、保育内容の充実や整備、保育士の労働条件改善など遅々として進みません。OECD加盟国の中で全教育機関に対する対GDP比での公的財政支出割合が、日本は6年連続最下位です。社会の格差や子どもの貧困も深刻になっています。
 「家庭内に子どもが育つ条件が失われつつある」と35年前に斎藤公子先生は『さくら・さくらんぼのリズムとうた』の本の中で警鐘を発せられました。次世代を担っていく子どもたち一人ひとりが大切にされ豊かに育つために、今年のグラビアページ(2ページ目) には〈園の生活とあそび〉を紹介しています。
 社会に子どもたちの安心して過ごせる場所が少なくなっている今、保育園は、子どもたちが安心して生活できる場であり、発達が保障される場、親が子育てを学び合う場としての役割が高まっています。今年の保育カレンダーの中には、東日本大震災から5年以上経った今でも、その放射能の事故の影響が子どもの世界にも現われてきている保育実践も報告されています。
 これからも、子どもたちの幸せを願って保育カレンダーを制作し続けていきます。
▲年長の1年(左から:春 奈良公園で鹿と出会う、夏 島に渡って海あそび、秋 仲間と山一周の乗馬、冬 スキー合宿)
▲足守の春・夏・秋・冬
 もみの木保育園
(岡山県岡山市北区新庄上1357 TEL 086−259−0670 園長 森田 幸子)
 自然環境の豊かな地で『可塑性の大きい乳幼児期の子育てを仲間とたっぷり遊んで過ごすことが大事』と考え、1988年足守に小さな無認可共同保育園としてスタートしました。運営は資金難続きで、大人たちはバザーや物品販売をし、柿の木プレーパークや子どもたちが飛び込めるプールなど手作りの遊び場をつくってきました。多くの方に支えられて、大きな樹と坂がある広い園庭の保育園を28年かけて創ってきました。幸いにも2015年に4500uの土地を取得でき、2016年移転して認可保育園となりました。
 今までと変わらず『水あそびや砂や土であそぶ、草花摘みや木の実採り、虫取りに明け暮れる外あそびの豊かな保育園となるように』願い、今年の年長さんに相談しました。そして、これから入って来る子たちに、仲間と春夏秋冬どんな遊びをしてきたのか伝えるためにとつくられたのが、この板屏風です。今、新園舎では子どもが楽しく遊べる保育園になるように、この年長の作品が励まし続けてくれています。

発行:保育カレンダー編集委員会 
福島県いわき市鹿島下蔵持字沢目20-1(いわきさくらんぼ保育園内) 
TEL 0246-58-5616 FAX 0246-58-5644 
ホームページ http://www.hoiku-c.net/

保育カレンダー作成に参加している全国の保育園、幼稚園、
認定子ども園を知りたい方はホームページを御覧下さい
定価1200円

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