2025年 表紙
2024年3月、全国各地で多くの元気な子どもたちが卒園していきました。その中には、1月の能登半島地震で被災し、明日の生活もままならぬ不安の中で、大人たちに守られ、春を迎えた子どもたちも多くいます。
この年の卒園児は2歳〜4歳をコロナ禍で過ごし、年長の春にやっとコロナは5類に移行しました。様々な制約の中で過ごさなければならなかった3年間。コロナ休園明け、仲間に会えた喜びにあふれた子どもたちの表情は忘れることが出来ません。子どもたちは、仲間と触れ合い、じゃれ合い、体を思いきり動かして遊ぶのが楽しく、豊かに人と関わり育ちます。何より、子どもは緊張した生活ではなく、身近な人と安心して過ごす環境を求めています。
そして戦後79年。今ほどメディアから世界のあちこちで起きている戦闘の映像が、日常的に子どもたちの小さな目や耳に入ってくる時はありません。命が脅かされるという極限の緊張を強いられ、未来への夢や希望を奪う戦争。人間らしく幸福に生きる平和な世界は、武力ではなく平和的な方法で解決できるということを、私たち大人は子どもたちに伝えていくべきではないでしょうか。
2025年保育カレンダーは、仲間とともに過ごした子どもたちの姿、保育、子育ての歩みを絵とともに紹介しています。是非、たくさんの方の手にとっていただき、誰もが人間らしく生きられる社会を考える一つのきっかけになれば幸いです。
認定こども園三国ひかりは、坂井市の公立保育園の民間移譲を受けて開設し、今年で14年目を迎えています。鷹巣ひかり保育園時代に“さくら・さくらんぼ保育”の実践で、どの子も育つ確信のようなものを感じ取っていたことが、民間移譲を受けるきっかけになり、一人でも多くの子たちがこの保育で育つことを願っています。
2023年度の年長児は15人でした。この年度からはコロナ禍から解放されて、以前のように自由に他園とのリズム交流や合宿ができるようになりました。初めて県外に出て行った3泊4日の運動会交流合宿(山中ふたば保育園に於いて)では、北陸5ヵ園が一堂に集まることができました。この合宿では「あきらめない」ことを大事にする生活が語られ、その言葉が子どもたちの励ましになりました。その後“15人みんなができるようになりたい”気持ちが高まり、運動会前の逆上がりではお互いが励まし合い、応援し合って全員ができるようになっていきました。
後半は、竹馬が大好きなあそびになり、一人が築山を上り下りするようになってからは、みんなができるようになりたくて盛りあがったあそびになりました。卒園式には、堂々と竹馬で入場する姿は圧巻でした。
この絵の子は、5人姉弟の第四子で、4月1日生まれです。1月に北陸で予定していた『森は生きている』公演が能登半島地震で中止になり、職員が配役を決めて読み聞かせをしたあと、すぐに描き始めました。何日もかかって丁寧にぬり上げたものです。
発行:保育カレンダー編集委員会
愛知県豊川市市田町原山97、98(恵の実保育園内)
TEL:0533-65-9803 FAX:0533-84-9777
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定価1200円