1998年9月

6歳10ヵ月の女の子(6年6ヵ月保育)
くるみ共同保育園 園長 宇山 喜久子
5歳7ヵ月。
夜泣いて起きたり、日中も不きげんな時。
12月末日から投薬はじまる。

  生後3ヵ月で中枢性協調障害と診断され、訓練施設を紹介される。可塑性のある0歳の時期をていねいに育てたいと、11ヵ月まで母子通園する。乳児期はよく高熱を出した。眠りも浅く、筋緊張も強く、足はよくクロスし、歩けるかどうか心配した子である。歩いたのは1歳6ヵ月。幼児期はこだわりが強く、疲れるとパニックになったりした。4歳の時、MRIで脳委縮を指摘され、よくここまで育ったと驚く。5歳の時、夜熟睡できなくなり心配したが、医療の力も借りて、乗り越えてきた。仲間との育ちの中でつけた交わりの力。そして「この子のペースで育てよう」という両親の想いが、この子の土台をつくってきた。(宇山)