2000年1月

6歳3ヵ月の男の子(6年1ヵ月保育)──くるみ共同保育園 園長 宇山喜久子

  この子の兄は脳性マヒで、まだ首がすわっていない。
  この子については、卒園によせてお母さんが書いてくれた文章で紹介する。
  ──我が子と共に歩んできた卒園までの道のりは、決して平坦ではありませんでした。生後4ヵ月半でインフルエンザによる細菌性髄膜炎にかかり(その時に、硬膜下水腫が見つかる)手術を3回、約5ヵ月間入院し、医師からは、「運動面・知的面にも、かなりの障害が残るだろう」と言われての退院でした。でも不思議と、私の心の中には、「このままくるみで育てば何とかなる!」という確信しかなく、後は生活のリズム(食べる・眠る)を大事にして、親はあせらずをモットーに、夢中で育てた6年間でした。…(省略)…そして、何よりも多くの友達とめぐり会えたことが、この子の「力」になるだろうと、思っています。子ども達の「内なる力」を信じてじっくり育てる大切さを学び、子ども達に親として成長させてもらったような気がしています。──
  髄膜炎で敗血症をおこし、交換輸血のため父母・職員が病院へかけつけたことを思い出し、よく元気で育ってくれたと実感する。