2006年5月



6歳4ヵ月の男の子(5年4ヵ月保育)
熊本医療センター二の丸保育園
熊本県熊本市二の丸1−5  電話096−312−0288  園長:中村 幸代


 国立病院の院内保育所として34年目。独立行政法人化に伴い、企業委託となりました。経営が変わっても、今までの保育を継続させることを、親と職員たちは強く願いました。就学までの身体をつくる為、毎日リズム遊び・散歩・水どろんこ遊び・旬の野菜たっぷりの食事、そして仲間のなかで育ちあうことを大事に保育しています。特に年長の時は他園との交流合宿保育への参加が欠かせません。親と共に子育てを学びあい、九州各地の保育者たちの励ましも受けながら、それらを継続することのできた再出発の年でした。
  この子は結婚7年目にやっと授かったと、両親は大事に育てていました。1歳で入園。野菜は食べれず、身体はかたく、みんなの動きを遠くから眺めていることの多い子でした。3歳で遠視とわかり眼鏡を掛けての生活となりましたが、毎日の雑巾がけが、楽しく出来るようになった年長の秋には、視力はかなり回復してきました。12月交流保育の縄跳びのリズム遊びの場面で、縄がうまく回っていないこの子に、他園の園長から厳しい要求と丁寧な指導がありました。それに応え涙も見せずに、黙々と頑張りました。また、そこにいた仲間にも「みんなで育ちあうんだよ」と声かけがありました。わが園に帰り7人の年長集団の励ましのなかで出来るようになったときそれはその子の自信となり、コマや竹馬も意欲的に取り組む力となりました。
  保育者は、6歳の課題をやりきらせることと仲間づくりの重要性を再認識しました。また、この子の成長を見た母親は「これからも交流保育を続けてくださいね」と語ってくれました。