2009年7月



▲6歳7ヵ月の男の子(6年保育) 太陽の子保育園
(岩手県花巻市星が丘1−10−15 ・0198−22−4445 園長 瀬川とも子)


 錦保育園(宮城県)の運動会を見学に行き、「さくら・さくらんぼの保育」に出会いました。素足で長い丸太を登り、高い台から跳び降りる年長児や、親から離れてリズム遊びを楽しむ1〜2歳児の姿に驚きました。また、順位を競わない、賞品がない、BGMがない、実況型の放送がない等、当園の運動会とは異なる運営についても保育の違いを感じ、保育を見つめなおすきっかけとなりました。

 職員間はもちろん、クラス懇談会等で保護者とも学び合いながら、大人主導の保育を子ども主体の保育へと転換して3年が経過しました。その僅かな間にも、布おむつにかえた赤ちゃんは濡れると泣いて訴え、柵を取り外した保育室から外へ向かって這い出しました。1〜2歳児は「ジブンデ」が盛んになりました。3〜4歳児は、年長児のリズム遊びや活動に憧れを抱いて意欲を溢れさせています。年長児は、雑巾がけや当番活動等みんなのために働く喜びを知り、ねぶた祭り合宿や東北交流合宿での交流を通してやりきる力や自信を得、視野が広がりました。一人ひとりが生き生きと自分の精一杯を出しきる姿は、大人たちの子ども観を一変させました。

 この子は一人遊びが好きで黙々と描く絵は、映像で見た空想の生き物やロボットがたたかう場面でした。絵を通して保護者と話し合ったところ、テレビやゲームの影響に気づいて早速カードゲームをやめ、テレビ視聴も制限するなど家庭内の取り組みを始めて下さいました。テレビやゲームから離れ仲間との関わりが深まると、自分の体験を描いた絵にガラリと変わりました。仲間の中で自分の意見を話すようになり、トラブルの仲裁役を果たすようにもなりました。

 年長後半期にはリズム運動がステキになり、5段のとび箱を軽々と跳び越え自信を得て卒園しました。この絵は胡四王山で仲間と遊んだ体験を描いたものです。