お礼 保育カレンダー15周年を迎えて
保育カレンダー編集委員会 鳴海賢昌
2013年度版保育カレンダーが、今年も34,000本を超えて普及販売されました。毎年こうして普及販売にご協力下さっておられる保育園の皆様、保護者の皆様を初め側面から温かく、応援して下さっています全国の皆様に心からお礼を申し上げます。また、研究者の皆様にはこの間保育カレンダーを温かく見守り続けて下さり、普及の推薦文の掲載などに様々なご協力を賜りました。心より感謝申し上げます。
2013年度版の発刊がちょうど15年の節目に当たります。私は保育カレンダー編集委員長に就任してまる5年が経ちました。力量のない者が1年1年が編集する最後の年と思って、編集に携わってきました。そう自分に言い聞かせないとやれない位、その責任の重さを感じてきました。そんな私が代表の座に5年間もいることに一種の驚きを感じているのが今の率直な思いです。それでも、やる時には誰かがやらなければならない大事な保育運動と思って向き合っています。
保育カレンダーができあがるまで
保育カレンダーが出来上がるまでの過程は、毎年、2月の会議で当年度版の総括会議と、次年度の構想を話し合います。4月にはその年度の保育カレンダー編集製作方針を決めることから製作が始まります。5月の全国集会後の会議では、各地域から出された各園の実践報告を聞き、実際に絵を見て各ブロックから推薦された13枚の絵を並べて見ます。その絵が園長会で選ばれてきた経過を聞き、討議をして表紙と合わせ1月から12月までの絵を決めます。6月からは本格的な編集製作活動に入ります。保育園を3日間あけて東京芝、増上寺に集まり、朝から夜まで三日間文章の点検を初め編集作業が延々と続きます。大体の編集を終えて、日を改めて一日集まり、文章の確認、色校正などをします。そして編集委員会の代表者が3、4名集まり最終確認をして、印刷会社に責了としてお渡しします。
地域や保育園の状況、保育について話し合いから
保育カレンダーを製作して15年が経ちました。編集委員に携わる園長は、保育カレンダー会議では先ず、各地域の状況を出し合うところから始まり、討議を重ね地域のことを理解し合います。9月の編集委員会会議は各地域の保育園巡りをして、保育園の歴史や成り立ち、またどんな社会環境の中で保育がなされているを学び合います。保育園巡りが各保育園の実践報告や絵の背景を理解する上で、より身近に感じられるように思います。編集委員になっている園長は、全員保育カレンダー編集製作の未経験者ですが、15年間の流れの中で、保育について話し合いを積み重ね、試行錯誤を繰り返しながら、ようやく編集方針が整理され、その年のテーマが絞られて来たように思っています。
保育カレンダーをつづける私たち思いは
保育カレンダーの製作目的は、私たちの保育実践を世に出し、子育てはお母さん一人だけでするものでなく、多くの人の力を借りていいことを。子どもの育ちには順序があり、乳幼児期には先ず、身体をしっかり育て、五感に訴える遊びで豊かな感性を育てること。「早起き・早寝・朝ご飯」の基本的な生活習慣の大切さを伝え、決して急いで習い事や早期教育に向かうことのないよう、子育てで孤立したり不安に陥ることのないようその理解の輪を広げたいと考えています。
まだまだ保育カレンダーは、時代の困難な状況を打開しながら進化しなければならないと考えています。今後とも皆様のご支援をよろしくお願い申し上げます。