2010年 7月

▲6歳11ヵ月の男の子(2年3ヵ月保育) 安武保育園
(福岡県久留米市安武町武島773−1 TEL:0942−26−4455 園長 舟越 陽子)
 幼稚園を運営していたつぼみ会が、保育実践交流会で乳児期からの育ちの大切さを学び、0歳児からの保育を実践し“どの子も育つ保育”をめざしたい、と8年前、市からの公立保育園民間移譲を受け、安武保育園が誕生しました。筑後川のすぐ近くの田園地帯の豊かな環境の中で四季折々の園外保育を楽しんでいます。
  2008年度の年長児は、弱さをもった2人を含む男児7人、女児2人の9人でした。
  この子は3歳児クラスの1月、4歳9ヵ月で市内の交流園から転園してきました。保育園でも家庭でも、睡眠・食事・遊ぶことを大事にしていたので、感性豊かで読み聞かせや描画の大好きな子どもでした。しかし、寝つきが悪い、虫へのこだわりが強い、高いところによく登るなど、気になるところがみえたので、市の発達相談を受け、2月下旬小児神経科で“ADHD(注意欠陥多動性障害)の疑い”の診断を受けました。その後弱視であることも判りました。
  子どもたちにどう関わったらいいのか、職員で本を読み合わせしたり、月一回の園内研修で一人ひとりについて検討したり、専門家の講演会に出かけたりして園全体で学習を重ねました。毎日何回も繰り返されるけんかやトラブルには担任だけでなく保育士が丁寧に対応して、自分の気持ちをコントロールすることを伝えていきました。好きな虫捕りやカニとりなどは仲間と一緒に満足するまでやりきらせ、なかなか入りたがらないリズムや泥んこ遊びには、保育士が必ずついてやりきるようにするうちに、苦手なことも仲間と一緒に取り組めるようになってきました。
  6月の100人を超える最初の交流合宿では、他園の子と一緒にリズムをするのが嫌だと泣きわめいていました。しかし、5園50人で交流した海遊びで生物とふれ、仲間と遊びきってからは、交流園の仲間や大人に会うのを楽しみにし、リズムや課題に真剣に取り組む姿を見せてくれました。
  この絵は、毎日のように通った近くの川でのカニとりの様子です。