2010年 8月

▲6歳7ヵ月の男の子(3年保育) 蓮華の家共同保育園
(愛知県岡崎市福岡町西市仲27 TEL:0564−54−9555 園長 安藤 千都子)
 子育てグループから始まり、20年を迎えた無認可の共同保育園です。寺の境内にあり、決して恵まれた環境ではありませんが、地域の市民活動グループの協力を得て、畑作りや、季節を感じる食事や遊びを大事にしています。
今年の年長は9人。人との関わりがうまくいかない子や自分中心で我先に行動する子が多いため、保育者はどの子も自分の気持ちや意見が言える関係づくりに努力しました。また、懇談会では親たちと率直に話し合い、小さい保育園なので、子どもの世界を広げるために交流保育や園外保育の協力をお願いしました。参加したお父さんたちは、子どもたちと身体を使って遊んだり、一緒に生活する中で子育ての楽しさに気づき、我が子だけでなく他の子も受け入れ、家族ごとで関わり協力しあうようになりました。特に後半は、どの子もお互いの家庭に2、3人で泊まり合い、子どもたちだけでなく親も保育者も仲間の中で育ち合うことを実感した1年でした。
  この子は3歳児の4月に入園。一人親家庭で、母親は専門学校へ通学しながらの子育てでしたが、園を支える活動にも積極的に参加してくれました。祖父母や仲間に支えられ、子どもの卒園と同時に自分も卒業を迎えることができました。外遊びが大好きなこの子は、毎日のようにスコップで土山を掘ったり、鬼ごっこや缶けりなどの集団遊びも大好きで、園でも交流保育でも仲間といっぱい身体を動かして遊びました。しかし、それでもリズム運動では足腰の弱さや身体のバランスの悪さが見られ、さらに製作活動では粗雑にしてしまうところもあったので、身体をしっかりつくるリズム運動を丁寧にやりきることを大事に保育してきました。2月に取り組んだ荒馬製作は集中して作り、また発想豊かな絵を描くその姿は、仲間にたくさん刺激を与え、卒園期には和紙の絵も丁寧に仕上げるようになりました。