2011年 9月

▲6歳6ヵ月の女の子(5年9ヵ月保育) たんぽぽ保育園
(広島県福山市日吉台2−11−15 TEL:084−943−1052 園長 藤井 鈴子)
 認可園となって31年。園舎や園庭は能動的に遊べ、より開放的にと改修を重ね、園庭の大きな斜面は、0歳・1歳児が元気にハイハイし足腰をしっかり育てる場所になりました。
 今年の年長は、小さい頃動きたがらない子が多かったため、毎日園庭の斜面で追いかけごっこをしたり、虫とりやおいしい木の実を求めての散歩、探索探検、起伏のある野山を駆け回るなど、一年中夢中になって遊びこみました。そして仲間を求め仲間と遊ぶことが好きになり、何でも「やってみたい」とやりたがり屋の子どもたちに育ちました。
 しかし年長になった時、子どもたちは失敗を気にして初めてのことに躊躇していました。100人を超える年長交流合宿で、何事も諦めず一生懸命に取り組む多くの子どもたちに出会い、子どもたちは、ありのままの自分でいられるようになり意欲的になりました。そして、友だちのことを支えあえる仲間集団になっていきました。
 この子は、2歳上の姉が高熱で脳炎を起こし、後遺症で高次脳機能障害とわかり、姉の治療や療育のために9カ月で入園しました。おとなしく自分を出せない子が、何事も黙々と取り組むことを積み重ね自信をつけ、粘り強さが育っていきました。卒園式では、いつも跳べていた縦のとび箱が跳べず、仲間たちに見守られ何度も何度も挑戦し跳びきりました。母親は、姉が子ども集団や保護者集団の中で明るく育った事に確信をもち、この一年合宿係として保護者をつないだり支える役割を果たしてくれました。そして保護者集団も、子ども一人ひとりの成長を喜び語り合える仲間になりました。この絵は『つばめがはこんだ南のたね』のお話を描いたものです。