29年間の無認可共同保育所を経て、認可保育園になって8年が過ぎました。この1年はこれまでの反省のもと、全職員が連携して力を出し合い保育をつくっていくことを課題とし、全クラスの担任が替わりました。子どもたちの様子を常に職員集団で論議しながら保育を進めていきました。
この子は、4歳児クラスの5月からの入園で、クラス14人の中で最後に入園してきた子です。当初は、通りすがりに叩いたり蹴ったりなど衝動的な行動が多く、トラブルが絶えませんでした。それは、この子の「仲間に入りたい」という強い願いがあっての行動でした。
年長児期のこのクラス集団は「人と関わる力を育てよう」ということを課題にしました。この子も自分の気持ちを言葉であらわすことを大事にし、時には保育者たちが気持ちを代弁して、仲間に伝えることも丁寧にしてきました。みんなに見守られ少しずつですが、集団もこの子も相手を受け入れられるように変わっていきました。
この絵は、保育園での最後のお泊りで、北九州あゆみ共同保育所の子どもたちと室見川のゆりかもめに会いに行った時のことを描いています。園に戻ってその日のうちに一気に描き、色を塗るのは何日もかかりました。それでも最後は「今日塗り上げる」と決めて丁寧に塗り、とても満足していました。