認可取得をきっかけに保育実践交流会に加入し、10年目になる有限会社の保育園です。
今年の年長は、途中入園の多いクラスでしたが、0歳児から育ってきた子が中心となり遊びや生活を作り出してきました。1、2歳児の頃は、大人が板を利用して泥の滑り台をつくるなど、身近な物を利用した遊びを工夫し、身体を存分に使う遊びを大切にしてきました。3歳児では、稲刈り後の田んぼで子どもたちだけでわらを重ねて家を作り、4歳児で板等の廃材を利用して家を作る遊びなどが得意な子どもたちでした。意見の強い子が中心になりすぎる面や、4月から新たな仲間を2人迎えたこともあり、この1年は集団での育ち合いを考えた保育を大切にしてきました。
この子は6ヵ月からの入園で、運動や遊びのリーダー的な存在でした。しかし、自分の意にそわないと感情をあらわにし、友だちを受け入れられない姿がみられました。家庭でも、 母親に感情をぶつけることが度々ありました。園ではクラス懇談会や学習会を大事と捉え重ねてきたので、この6年間で自分の思いを話せる親集団になりました。同じ思いで保育を語れる親同士の存在があったからこそ、母親自身も悩む度に職員や親集団に相談し、我が子との向き合い方を考えられるようになりました。年6回の東北の交流合宿を経験して卒園期には、この子も自分の感情を抑えながら相手を受け入れるようになりました。この保育を通して、人は人の中で支えられ、親も子も共に育ち合うことを実感した年でした。
この絵は『龍の子太郎』のお話を聞き印象に残った場面を描きました。