開園して24年のNPO法人の保育園です。自然豊かな里山のふもとにある民家を改装した小さな園舎ですが、段々畑5段を利用した園庭が広がり、水や泥、斜面での外あそびと小動物や畑づくりが日常の生活にあります。乳幼児期に"根っこを育てる子育てを"と父母職員が力を合わせて創ってきました。
この子は、5大食物アレルギー(小麦・卵アナフィラキシー)があり、母乳で育てていたので、母子共に除去食をし、母はすっかり体力が落ちフラフラの状態でした。
母は1歳4ヵ月の入所時の頃を振り返り「アレルギーのためにとても神経質になっていた私は、当時は育児を楽しいと感じることはできませんでした。除去食は大変だし、夜泣きはするし、血や浸出液が出るまで肌を掻きむしる赤ちゃんを見てどうすればよいか途方にくれ、長男にもつらくあたっていました。もみの木に来てからは、とにかく生活リズムの改善が大事だと教えられました。野菜たっぷりのごはんを食べて、しっかり動いて排泄して、決まった時間にしっかり寝て……代謝の良い身体づくりが健康の土台だと教わりました。(中略)他のお母さんも温かく接してくださったお蔭で、子育てが楽しいと感じられるようになりました」と卒園文集に寄せてくれました。
また裂脳症の下の子が生まれたのを機に、コーポの2階から園の近くで庭のある大きな借家に転居し、朝から晩まで遊び呆ける生活となりました。3、4歳児の頃はやんちゃでしたが、年長になると自分がつらい思いをした分、いざという時にやさしく頼りになる子でした。
就学前の2月、6歳の誕生日の頃には、牛乳・卵が食べられるようになり「何でも食べれるようになった!」と嬉しそうに報告してくれました。自作の紙芝居を作るなどお話好きで、この絵は『ドリトル先生アフリカ行き』を描きました。