2017年 11月

▲6歳2ヵ月の男の子(6年保育)
さくら保育園(宮城県大崎市古川稲葉1丁目10−33 TEL 0229−22−2936 園長 上野 ひろえ)


 無認可保育園8年を経て、個人経営で認可を受け、その年に有限会社経営に移行しました。認可をうけた年から「さくら・さくらんぼ保育」に学び実践して14年になります。きっかけは、前園長が公立幼稚園に勤めていた時に大人主導の保育に疑問を抱き『さくらんぼ坊や』のビデオと出会ったことです。その後、錦保育園との出会いがあり、この保育を実践することになりました。園舎は電機部品工場を改築したため不便さがありました。保護者会が主体となって、保育室の腰板張り、棚作り、床の補修など行い環境を整えてきました。学習会や懇談会での親たちの学びの姿勢と保育方針を理解し全面的に保育園を支援してくれる力が、子どもたちの育ちと保育士の支えとなっています。協力体制の素晴らしい保護者会が自慢です。
 東日本大震災前は、目の前の田んぼで全身泥まみれになり、ミミズや蛙、ザリガニ等たくさんの動植物と触れ合い夢中になって遊んできました。震災後、農地が次々と宅地転売されアパートが建ち始め、園周辺に住宅が建ち並びました。できるだけ自然の中で遊ばせたいと思い、歩いて20〜30分程離れた田んぼや、園バスで山へ毎日出掛けるようにしてきました。
 この子は3人兄弟の末っ子で、生後2ヵ月で入園しました。あまり感情を出すことがなく、控えめで自信のない姿が多く見られ、一歩踏み出して挑戦できないところがありました。しかし東北の仲間との交流保育を重ねるごとに自信がつき、自ら仲間を求めたり、前向きに挑戦する姿へと変わっていきました。
 この絵は『八郎』の読み聞かせ後、印象に残った村の皆のために山をかついで海に向かおうとする場面を描きました。