2017年 12月

▲6歳8ヵ月の男の子(4年保育)
はなのわ保育園(茨城県ひたちなか市西光地1丁目6−3 TEL 029−273−0493 園長 神永 悦代)


 開園して42年目の認可保育園です。新園舎完成から4年の中で、周辺は宅地化が進み公園は出来ましたが、自然に触れて遊ぶ場所は激減してしまいました。
 今年度の年長児16人は、2011年3月の原発事故の影響で1、2歳クラスの頃に泥、素足の庭遊びができず、散歩先にも制限があり、様々な規制の中で過ごしたこともあってか、4月の様子は、子どもらしいハツラツさや覇気が感じられませんでした。そこで“体をつくり心を解放させたい”と園バスを使い週に数回、花のたくさん咲いている公園や広くて起伏のある公園、海、山など、心がワクワクする場所を探したくさん遊びました。リズムあそびは朝夕2回行い、基本の体づくりも大切にしました。親との関係も深めようと「自由保育参観」「両親懇談会」「いつでも面談」を行い、お迎えの時には常に子どもの変化を親に伝え、親の悩みを聞くことも大切にした一年でした。
 この子は2歳9ヵ月で入園。入園当初は語彙数が少なく、発音も不明瞭でした。友だちと関わりたい気持ちはあっても、自信のなさから自分から入っていくことが出来ず大人のそばにいました。しかし、週に数回バスで園外へ出かけ、毎日朝夕リズムあそびをする中で体が動くようになっていき、6月頃に跳び箱を始めたところ、この子が最初に跳べたことで自信がつきはじめました。それから次第に、何にでも挑戦する気持ちが生まれ、会話も豊かになり、友だちともたくさん遊べるようになりました。年長の運動会では「わが子ではないみたいです」と母親が驚く程、どの競技もやりきりました。
 “一緒に楽しく生活、遊び”を大切にしていく中で、自ら絵を描くようになりました。この絵は、交流園の仲間と一緒に劇団仲間の『森は生きている』を観て描いたものです。