東日本大震災により太平洋沿岸は壊滅的な打撃を受けました。多くの保育所も全壊し、子どもたちは行き場を失いました。地域の再興と発展のために、自分たちのできる事をしたいと強く思い、2016年に認可を取得し保育園を開設しました。現在は定員数60人です。
開設当時は民家も少なく静かなところでしたが、震災後徐々に商業施設や住宅が建ち並び、街並みが一変しました。園の周辺には散歩に行ける場所が少ないので、車で20分程の場所に小高い山を切り崩した公園があり、3歳児以上の子どもたちは週に2、3回出かけています。また、園舎や園庭が広く、水あそびや砂・泥あそびを楽しめ、園庭内に畑を作り季節の野菜を収穫しています。
この子は、9ヵ月で入園しました。年長になり、園庭に穴を掘り基地作りや鯉のぼり作り等の経験を通して、皆で力を合わせる楽しさを実感した頃から、友だちの意見にも耳を傾けられるようになりました。虫とりが得意で仲間から一目置かれ、交流合宿で他園の友だちをつくれた事も自信へとつながりました。また、絵本を見ることが大好きで、家でも母からたくさんのお話を読んでもらい育ちました。園では長編の物語に目を輝かせ、お話の世界に入り込んでいる姿がありました。
この絵は『ドリトル先生アフリカゆき』を読んだ後すぐに「描きたい」と言って集中して描いたものです。