1999年2月

6歳2ヵ月の男の子(2年8ヵ月保育)──こばと共同保育園 園長 福井 英二

  この子は、生まれつき心臓病をもち、「手術は大きくなってからしかできないので」と医者から言われ、お母さんの話によると、できるだけ部屋の中ですごさせてしまったそうです。体が弱く、両親は集団の中で友達といっしょにすごさせたいとの思いで、近くの幼稚園、保育園をさがしたが、どこも受け入れてもらえずわが園を訪ねてこられた。入園してからは、園外保育にでかけてもみんなの後の方をやっとついていったが、毎日の園での食事、あそびの中で、体力もついてきて、年長の前半で無事大手術を終え、年長後半の山登りなどではみんなといっしょに楽しく登ることができるようになった。この絵は、卒園前に精いっぱい自分を表現し、コマまわしなど体験したことを素直に描き、唯一最後まで色をぬりきったものです。卒園期はどんな事にも挑戦する意欲をもった子に成長しました。