2009年3月



▲6歳10ヵ月の男の子(5年11ヵ月保育) 遊びの家共同保育園
(長崎県諫早市多良見町西川内1245 0957−43−6085 園長 佐久間容子)


 お母さんの手記です。

 〔この子は、私が36歳で初めて身ごもった子どもです。妊娠3ヵ月に切迫流産で入院、その間に妊婦糖尿病も併発し、おそるおそる臨月を迎えました。破水はあったものの、微弱陣痛で丸2日間こらえました。しかし大きな陣痛がつかず、陣痛誘発剤を使いやっと生まれました。産後、母体の回復が遅くそれによって母乳の出が悪かったためか、体重増加が遅くやせっぽちの赤ちゃんでした。その後も、体重増加曲線帯の下側を張り付くように成長しました。

 幼児期は、熱性痙攣との戦いでした。ひとたび熱がでると、ほとんど毎回熱性痙攣をおこしました。夜間診療に何回走ったことでしょう。また、普段の生活では、多動傾向が見られ、衝動的とも見られる行動に思い悩みました。保育園とも何度も相談しながら、「早起き早寝 生活リズムの徹底」「テレビは見ない」「ごはんと味噌汁と野菜たっぷりの食生活」を家庭ではがんばりました。また、「夜は真っ暗な中で寝かせること」「食べるときは、足裏が床に着く椅子に座らせ、しっかり咀嚼が出来る姿勢にすること」など保育園での勉強会に参加するたびに新しい課題を見つけました。

 本当に素敵な年長さんになれるやろか…と不安でしたが、家族が驚くほどの成長振りでした。一針一針雑巾を縫い上げ、想像力豊かにお話の絵を描き上げていく姿に確かな力の定着を見ました。他園との交流保育の度に新しい友達のことを話し、新しい歌を歌い、新しいリズムを得意気にやってのけました。親も子も、夢のような年長生活を送ることが出来たのは、生後11ヵ月の頃から保育について語り合い、父母仲間に支えられて過ごした遊びの家のこの時間と空間のおかげだと思ってやみません。〕

 遊びの家は『障がいがある子どももない子どもも大人も共に育ちあいたい』と願い設立し、18年目を迎えた親と保育者の共同運営の保育園です。『どの子も育つ保育』を目指してこれからもみんなで歩んで行きたいと思っています。この絵は『青がえるの騎手』のお話の競馬大会を描きました。