2009年10月
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▲6歳10ヵ月の男の子(5年8ヵ月保育) ひばり保育園 |
ひばり保育園は開園33年目の認可園です。開園当初は田畑に囲まれたのどかな地域でしたが、今は近隣への県庁の移転や宅地化によって道路整備が進み、普段の散歩の安全を確保するのにも一苦労するような状況にあります。 この子は、1歳2ヵ月入園。同年齢の子どもより頭二つ分背が高く、まわりの人から『大きい』などと言われて育ち、自分の体にコンプレックスを感じるようになっていきました。誉められることがあっても素直に受けとめられず自分に否定的で、もっと自分に自信を持ち自分を好きになるためには、この子自身が、“自分は愛されているんだ”と感じられるような言葉を大人が具体的に声に出して接していくことが必要だと気づき、そのことを親と話し合い、それを意識して保育していきました。そんな中、何かひとつ自信が持てることがあればと、いちばん苦手なアヒルのリズムに毎朝担任と取り組みました。できるようになり誉めると「おかげさまで」と初めて自分を認める発言をし、その時をきっかけに他のリズムへの取り組む姿勢も変り出しました。そして、その頃の交流リズムに大好きな母親が見にきたことで、ステキな自分を見せたいとがんばり、皆からも誉められ、やれば出来るんだと思えるようになっていきました。 それからは、普段の生活の中でも積極的になり、交流の場では様々な友達や大人から励まされ、また刺激を受け、新しいリズムや苦手なリズムへ自ら挑戦するようになりました。担任だけでなく多くの仲間から認められた経験がこの子を大きく成長させ、最後のリズム合宿では、今までに見たことのない生き生きとした姿で参加し、前向きで自信に満ちた顔を見せ、堂々と卒園していきました。 この絵は裏磐梯合宿で乗った桧原湖の遊覧船を描いたものです。 |