2009年11月



▲6歳8ヵ月の女の子(6年保育) 朱七保育所
(京都府京都市中京区壬生東高田町1−2 075−311−1411 園長 松田伸枝)


 朱七保育所は、高い建物が立ち並び交通量が多い街中にあります。園庭には大きな築山や実のなる木々があり、自然を大切にしています。5年前に294m2のホールの建設、2階の0歳児室前にはホール屋根を利用した芝生の斜面をつくるなど、乳幼児期の身体を使い切る生活を保障するために最善の環境づくりを心がけてきました。

 この絵は、3月の卒園を前に宇治市郊外にある野外センターへ2泊3日の野外合宿をしたときの絵です。3人のグループで、3日間の生活を自ら切り開いていきます。山へ分け入り薪や蔓(つる)を集め、かまどを作り火を熾(おこ)し、飯盒でご飯を炊いたり、蔓のお皿や焼板を作ります。この合宿は仲間と共に考えあい、協力しあいながら創りだします。3日間を通して24人の子どもたちは、助け合い助けられる生活がどんなに心地いいものかを経験します。やり切った喜びは、人間としての誇りさえ感じさせてくれます。

 朱七保育所では、体と心を育てる『リズム』運動を3度の食事のように大切にしています。リズムで身体を動かすことは、身体を強くするだけでなく心をも育てていきます。子どもたちは日々の生活やリズムをする中で自己肯定感が育ち、「もっと素敵になりたい」と仲間に憧れを抱きます。卒園期を迎えた子どもたちには、自らの課題を見つけ出し、仲間と一緒に乗り越えていく姿があり、言葉にださなくても相手の思いを汲み取り、目と目で仲間の心を感じる子に育ちました。保護者と職員は『どの子も育つ』『自ら』の深い意味を理解し、子どもたちを前に向かわせる支えとなりました。

 24人の子どもたちは、音楽に楽しく体と心をあわせ自らを輝かせ、凛として卒園していきました。