2015年 3月

▲6歳5ヵ月の男の子(4年10ヵ月保育)
山の子共同保育園(和歌山県紀の川市北長田546 0736−60−1812 園長 嘉摩尻 智美)




 子どもたちを自然の中でのびのび育てたいと願う親が集まって1990年(平成2年)に無認可の共同保育園として出発、2011年(平成23年)にはNPO法人となりました。年長児はこの子1人で3・4・5歳児クラスの混合保育でした。
 入園時は1歳8ヵ月でしたが歩行が不安定で、1ヵ月間母子通園をしました。産院で聴力の弱さを指摘され、発語が不明瞭で認識にも弱さが見られました。園では快食・快眠・快便の丈夫な体づくりを大切に、水と土で思う存分遊び込んできました。一方、歌や手遊びが苦手で、言葉でのコミュニケーションの取りづらさもありました。
 年長になってからは、仲間と車座になり手遊びをし歌を歌い、自分たちの意見を出し合う場を大事にしました。中耳炎の治療がすすみ聴こえがよくなるにしたがって、どんどん物事を主体的に捉えるようになっていきました。年6回の交流合宿では、1人でどの集団に入ってもなじめる強さをみせました。
 4月の絵は頭足人でしたが卒園期のこの絵は集中して、今までの経験の全てを表現しました。保護者と保育者は、この子の成長ぶりからじっくり育んできた土台があってこそ開花したと確信し、勇気を貰いました。