認可36年目の保育園です。旧園舎は狭い斜面の土地を削って利用した3階建てでしたが、より良い環境を求めて移転新築を進めました。地域の誰もが安心して暮らせるような「子育て、保育、福祉」の新たな拠点として広い敷地(1700坪)に平屋建ての新園舎を2014年(平成26年)8月に完成させました。
この子は1歳6ヵ月で入園。噛みつきなど多動で衝動的行動が見られ、園外保育では集団から外れてしまうことも多く目が離せない子でした。2歳児クラスの時"言語認識の遅れを伴うADHD"と診断され、母親と話し合い大牟田市へ養護児保育事業費補助金の申請をし、3歳児クラスからこの子専任の加配保育士が付きました。
母親はこの子の祖父(72歳)と曾祖母(91歳)の介護をしながら、1人で子育てを頑張っていました。園は必要な時に送迎を手伝ったり、子育てや生活の相談にのりできるだけの支援をしました。そして母親もクラスの親たちと保育園の子育てを楽しんでいました。しかし家庭の生活は子どもにとって落ち着いたものではなく、興奮しやすいこの子へのテレビやDVDの影響もまだ強く見られました。
この年の年長は21人。この子はいつも友だちの中にいて、楽しみながらみんなについていっていました。また、年長交流からたくさんの刺激をもらい"これがやりたい"と思って向かっていく力が強くなっていきました。その姿はまわりの子どもたちのやる気をも引き出し、ともに育ち合いました。
山登りが好きなこの子は、卒園前に地元の三池山に登ったことを描きました。色を塗る時の落ち着いた表情はまさに6歳に育った姿でした。