実り保育園は、3・4・5歳児のみの認可外保育園です。この子は同一法人の小規模保育事業所七実の木保育園(0・1・2歳児のみ)に1歳から入所してきました。七実の木保育園は、2011年に京都独自の制度である認定保育室として開室。京都市内に20坪ほどの民家を改修し、5人から保育を始め、翌年は10人定員の保育室となりました。リズムあそびができるスペースはなく、園庭もありません。幸い近くに市内ではまだ自然が感じられる大きな公園があり、散歩に出かける毎日でした。開室当初から全国保育実践交流連絡会に学び、環境も整わない中、自分たちに何ができるのか考えてきました。2015年、子ども・子育て支援新制度導入で12人定員の小規模保育事業所として認可され、裏の空き地も借りられるようになり念願の園庭が出来ました。
この子の両親から「さくら・さくらんぼの保育を継続して受けたい」との強い希望が出され、3・4・5歳児の認可外「実り保育園」を隣に開園し、幼児の保育を始めました。両親も一人の年長として残る不安はありましたが、神戸大学名誉教授の廣木克行先生から「自己肯定感が育てばなんでも乗り越えられる」と学び、保育を支え、財政活動・認可運動にと力を尽くしてくれました。関西地区の仲間に温かく迎えられ、友だちと遊び、年長最後の合宿ではみんなと一緒に生活を楽しみ、初めてのリズムあそびもひるまず挑戦していました。その姿に私たち保育士も、6歳までの子どもの発達を目の当たりにし、年長の活動をいっしょに体験したことで乳児の保育内容の充実にもつながりました。
新制度の中で保護者も保育者も様々な問題を感じ、出し合ってきました。子どもを中心に置いた保育の在り方や保護者が安心して預けられる保育制度を、これからもみんなで考え合いたいと思います。
この絵は白鳥を見に行って、感動して描いた絵です。