2021年 5月

▲6歳4ヵ月の女の子(3年保育)
たいら保育園
福井県丹生郡越前町下河原5−7
TEL:0778−36−0251 園長 木村 典子

 1952年にお寺の本堂を開放して始めた小さな保育所が原点です。古い園舎で通園にも不便なため、1994年、地域の人たちが通いやすく、開かれた保育園を目指して現在の地に新築移転しました。地元越前町は古くより和太鼓や陶芸が盛んな地域です。たいら保育園で行う北陸地区5園の年長交流合宿では、地域の特性を活かし伝統文化の体験を取り入れています。

 2019年度の年長児は12人。小さい頃は食が細く野菜が苦手な子が多いクラスでした。散歩で季節の木の実などをとって食べる、畑で野菜を収穫するたびに調理するなど「食べる」ことを大切に保育していきました。年長になる頃には、他園との交流合宿に行ってもしっかり食べて元気に過ごせるようになりました。

 この子は3歳児からの入園。友だちと関わるより一人で遊ぶことが多く、友だちからの何気ない言葉に落ち込み自分の思いを言葉で伝えることが苦手でした。年長になり当番活動を通して年長としての自覚が生まれ、他園との交流や合宿で大勢の仲間と過ごした喜びと達成感で自信がつき、友だちとの繋がりが深まっていきました。入園当初から絵を描くことが好きな子でしたが、友だちと過ごすことが楽しくなると、描く絵からもその喜びが伝わってくるようになりました。

 この絵は、裏山の散歩で倒れていた大きな丸太を見つけて遊んだ時の絵です。根元は子どもが3人で手を繋いだほどの太さがあり、先端は山のてっぺん近くまで続いていたので何度も何度も登って大喜びで遊んでいました。