2020年度は、新型コロナウイルスの感染状況を考えながらの保育実践でした。夏祭りなど保護者と一緒になっての活動がほとんどできず「みんなでみんなの子を育て合う」ことを大切にしてきただけに寂しい年でしたが、どのような状況になっても子どもたちが一人ひとり輝けるように職員みんなで話し合いながら保育をしてきました。

　年長は、女の子5人、男の子4人の9人。小さな時から水あそび、泥あそびが大好きでいつまでも遊んでいました。散歩に行けば、お昼ご飯の時間になっても帰って来ず心配になるくらいでした。年長になってからは、大人に言われなくてもみんなで雑巾がけをしたり、当番活動をしたりと自ら考え行動する子どもたちに育ちました。

　この子は生後9ヵ月入所の男の子です。自分や仲間のことをあまり話さず9人の中でも物静かな子でした。母親は「父母の会会長」になって園を支えてくれました。秋、認定こども園三国ひかりでの2泊3日の合宿で、朝・夕グループに分かれて飯盒でご飯を炊いて食べる経験をしました。誰がお米を洗うのか、どんなかまどにするのか相談しながら生活し、関係が深まっていくなかで自信がついてきました。その合宿後、4・5歳児合宿では自らリーダーに立候補するなど、みんなをリードするくらい言動が変わっていきました。積極的に語るようになり、小さい子から憧れられる年長さんになりました。

　この絵は『小鹿の太郎ちゃん』の映画を見た後、描いたものです。