無認可22年を経て、2011年に社会福祉法人の認可保育園となりました。“発達に弱さをもつ子どもも含め、0歳児から学童、大人まで共に育ちあう共同の子育て”を目指しています。
この子は2歳児で入園。一人っ子ということもあり、他の子の勢いに押されがちな子でした。その後、登園渋りも始まりましたが、憧れの年長になり、いろいろな活動に挑戦することが多くなると、自分のやりたい事を実現するために、仲間にも意見が言えるようになってきました。年長の運動会では班のリーダーとしてどうしたら班の仲間で力を合わせられるか考え、みんなに提案していくような存在に変わっていきました。
2月、『わらしべ王子』の読み聞かせを聞いた日のおやつは、味噌をつけて食べるおにぎりでした。それを食べた子どもたちのふとした呟きから“海の水から塩を取り出す”活動が始まりました。真冬の海に海水を取りに行き、どうやったら海の水から塩を取り出せるのか班ごとに話し合って考え、最後には塩を取り出すことができました。その活動に夢中になったこの子がそのあとに描いた水彩画は、今までと違って動きがあり、色彩も明るく絵から光が射してくるようでした。
小さな呟きにも耳を傾けながら“子どもたちと一緒に活動を作り上げること”を大切にしてきたことで、子どもが輝くと確信できた一年でした。それを教えてくれたのがこの『龍の子太郎』の絵です。