2008年10月
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▲6歳6ヵ月の女の子(2年6ヵ月保育) |
▲6歳6ヵ月の男の子(3年4ヵ月保育) |
福岡県久留米市は財政改革の一環として、2002年より安武保育園他1園を皮切りに、7年かけ公立保育園17園中11園を民営化するとの方針を打ち出しました。幼稚園を24年間運営していた“つぼみ会”が民営化には複雑な思いを持ちながらも<幼稚園ではできなかった0歳からの保育を実践したい><一人ひとり大事に育てる保育の裾野を拡げられたら>という気持ちから譲渡を受ける決意をしました。
設置主体が変わることでの保護者の不安は大きく、園児が減少し、定員割れが続きました。保護者との話し合いを重ねながら、固定遊具を取り除き、壁を抜き、廊下を広げて、風と光と土と水にあふれたのびのびと生活できる空間を作ってきました。また、食べること、寝ること、体を使って遊ぶことを大切にしながら、山・川・海など自然の中へ飛び出す保育をする事により、次第に入園する子どもが増えました。2007年度は定員増をし、それもオーバーする現状に開園時の願いがやっと実りはじめた感があります。 この2人の年長児は4歳と3歳2ヵ月でそれぞれ入園。民営化に対する不安で同年齢の仲間の転園が続き、たった2人の年長児集団となりましたが、保護者の不安にしっかりと向きあうために園長自らが担任になり、職員・保護者が力を合わせて育ててきました。園ではゆったりと生活し、交流保育ではつぼみ幼稚園や九州各地へ11回の合宿、数十回の訪問を重ね、何より人と交わる力をつけて卒園していきました。女の子の絵には園での生活の楽しさがあふれ、男の子の絵には九州の仲間と雲の上にある久住山頂(1787m)を極めた喜びが描かれています。 安武保育園(福岡県久留米市安武町武島773 0942−26−4455 園長 舟越 陽子) |