保育カレンダーc

仲間と育つ5歳児の世界

 乳児期の頃から自然の中で五感と身体を十分に使いながら育った5歳児は、何にでもチャレンジしてみるという心が育っていきます。おとなから見ると危なそうな行動でも、子どもたちにとっては意味があり、小学校に入る前に仲間といろいろな体験をすることで、好奇心や探究心が育つと同時に自信にもつながっていきます。
 5歳児になると手先から足先までコントロールできるようになり、動きがしなやかになります。それによって、縄跳び、鉄棒、跳び箱などダイナミックに遊びの幅が広がっていきます。また友だち関係が広がり、仲間と共有できる世界へと関心がいくようになります。幼い時は言葉がうまく使えず手足が出る喧嘩になりますが、年長期ともなると言葉が巧みになり、お互いに言葉で解決の糸口を探せるようになってきます。集団でルールを作り、それを守ることに喜びを持つようになります。だからこそおとなは子どもを信頼して、すぐには答えを出さずに見守っていくことが大切です。それによって子どもたちの考える力と自己肯定感が育つのです。
 6歳になると心も更に育ち、想像力が劇的に高まってきます。絵本、昔話や物語など良いものをおとなが選んで“読み聞かせ”したいものです。年長最後の時期になると、子どもは心に感じ、人の善悪を含むドラマをしっかりと認識し受けとめることができます。また本物に触れたり感じることによって、子どもの感性が育ち創造性も豊かになります。
 小さい時から自発的に身体が疲れるまで、力いっぱい何ごとにも挑戦できる子は、逆境に負けない心が育ちます。文字を教えることは小学校に入学してからでも遅くはありません。その前にしっかりした身体と感性豊かな心、自ら考え創造する力を乳幼児期に育てることが大切です。

水鉄砲

遊び 挑む

身体を使って遊ぶことが巧みになると共に、予想と見通しを立てる力が育ち、遊びの幅も広がっていきます。また決められた一つの遊びを自分たちで発展させ、より面白いものにすることが出来るようになっていきます。友だちとの遊びの中からお互いを認め合い、高め合っていくのです。

つくる 働く

 生活は日常の積み重ねがとても大切です。早起き早寝・三度のごはんは、子どもの発達にとってとても重要です。仲間と一緒に火を焚いてごはんやおやつを作ったり、お泊り保育(合宿)を通して生活を自分たちでつくります。
 当番活動が盛んになり、グループに分れて活動することによってお互いの言い分を聞いたり、認め合ったりすることが出来るようになります。より快適な生活をつくるために子どもたちは力を発揮します。雑巾がけ、動物の飼育、たきぎ切り、季節の行事の準備、園庭の整備、畑づくりなど目的をもって働き、みんなの役に立つことが喜びになります。小さい子たちはそういう姿を見て、年長に憧れていくのです。

描く

 いろいろな経験を通して過去、現在、未来という時間のつながりや物語に込められた深さも理解出来るようになります。日常の楽しかった体験やお話のイメージを膨らませて描いていきます。指先が器用になってくると、絵の線も力強く、滑らかさが出てきます。認識が深まると描いたものに動きや奥行きもでてきます。また、自然にふれる生活の中で色彩の認識が深まり、描き表現することが楽しくなっていきます。
 子どもの絵はどれも素晴らしいもので、おとなが上手下手で見るものではありません。その時の絵は、子どものありのまますべてを表しています。子どもが表現する喜びを育てることが大切です。

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