保育カレンダーc

園の生活とあそび

 子どもにとって家族以外と接する初めての小さな社会、それが保育園です。少子化・核家族化が進み、人との関わりが少なくなってきた今、保育園はみんなで遊んだり、食べたり、寝たりの積み重ねを通じて「生きる力」を育む大切な役割を担うところになっています。

 人の成長を木に例えると、乳幼児期は根っこを育てる時期です。根っこがしっかりと育った木にはたくさんの葉が茂り、風雨にも耐えられる強さをもつでしょう。見えない根っこよりも見える葉っぱを育てようと一足飛びに「早期教育」に傾いてしまっては、根っこが充分に育ちません。根の成長には、この時ならではの遊びや子ども同士の関わりが不可欠です。

 それでは、根を伸ばす保育とはどういうことでしょう。私たち園の一日を紹介します。

午前

豊かな自然のなかで虫や小動物を捕り、植物に触れ、水・土・泥でたっぷり遊び、自然の素材を使い、モノを創り出すなかで、子どもの感性や創造性が育ちます。

登園

歩けるようになったら自分で歩いて登園します。大きい子は一日分の着替えを自分で持って登園し、部屋に行き荷物を片付けます。

朝のしごと

子どもたちはお手伝いが大好きです。大人の仕事をまねて、子どもたちも働くことの心地よさや喜びを知っていきます。子どもにとって仕事も遊びです。大きくなると当番活動が加わり、掃除・雑巾がけ・畑作り・野菜作り・動物の飼育などをします。

<年齢別活動>
水あそび

赤ちゃんも水が大好き。どの子も水を求め、水に惹かれ、無我夢中になって水の感触を確かめます。水刺激は皮膚の感覚を通して、自律神経をたくましく育てます。薄着や外気にあたることも自律神経をきたえることにつながります。

砂・土・泥あそび

子どもは砂・土・泥などの、働きかけると変化する自然物が大好きです。水あそびから土あそびへと、遊びもスケールが大きいものへと変わっていきます。

散歩

四季折々の自然を求めて園内外のさまざまな場所へ散歩に出かけます。道くさや探索をしたり起伏のある場所を歩いたり、遠くまで出かけたりして楽しみます。

リズムあそび

リズムあそびとは、埼玉県深谷市にあるさくら・さくらんぼ保育園の斎藤公子先生が実践・提唱したものです。

自然界の生物進化の法則に則って考案され、子どもたちが自発的に動いて、自らを育てていくことを大事にしたものです。歌やピアノに合わせて動くことで、身体や脳の発達を促していくのが、私たちが毎日行っているリズムあそびです。

年長交流

年長になると、他園との交流保育や交流合宿で世界を広げていきます。

お昼

豊かな自然のなかで虫や小動物を捕り、植物に触れ、水・土・泥でたっぷり遊び、自然の素材を使い、モノを創り出すなかで、子どもの感性や創造性が育ちます。

離乳食

味覚の発達を促すように、薄味から始めます。

給食

食べる意欲は「生きる力」。子どもたちの食生活の乱れが社会問題にもなっています。私たちの園では、栄養バランスを考え、旬の食材を優しい味付けで、愛情込めて調理しています。

お話

おいしい給食のあとは、大好きなお話の時間。絵本や紙芝居の読み聞かせのあと、子どもたちは眠りにつきます。年長期になると、人間の生き方を考える作品や仲間と力を合わせて困難に立ち向かうような、心にしみる作品を選定して読み聞かせています。

お昼寝

午前中にしっかりと身体を動かしたあとは、休息が必要です。年齢に応じた睡眠をとります。夜型の生活が子どもにまで浸透し、睡眠不足が深刻な問題となっています。寝る子は育つといいますが、乳幼児期は充分な睡眠(0歳児16~18時間、1~3歳児12~14時間、4~6歳児10~13時間)が必要です。早起き早寝の生活リズムを整えましょう。

午後

おやつ

  • 1歳児のおやつ

  • 2歳児以上のおやつ

おやつも大切な栄養源です。糖分を控えめにして、手作りのおやつ(食事に近い)を食べます。

自由あそび・描画

豊かな体験、遊びを経験した子どもたちは、認識としてイメージしたものを表現するようになります。絵を描くことも自己表現の一つ。私たちの園では、絵をとおして子どもの発達状態や生活、心の内面を読み取り、保育に反映するようにしています。

降園

楽しかった一日も終わりです。「あした、またあそぼう」と帰っていきます。

私たちは、現在失われつつある自然のなかで、子どものための自然環境を確保し、子ども本来の育ちを大切にする保育を全国で実践しています。

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