保育カレンダーc

子どもの発達と絵

 母親の胎内から生まれ出て1年が経つころ、子どもは自らの力で立ち上がります。35億年かかってきた人間の進化の道筋を、子どもの成長は見せてくれます。直立二足歩行を獲得したヒトは、手を使い、集団で労働し、言語を発達させてきました。3万年前のクロマニヨン人の時代から、すでに絵や歌や踊りといった芸術がありました。
子どもが描くことは、言語(コミュニケーション)の発達に密接に結びついているだけでなく、年齢相応の体の成熟や心理、認識の発達と切り離せません。子どもは何枚も何枚も描く中で、外的世界を取り込み、人や物への認識が深まり、イメージを持って描く力が育っていきます。「手と足」「体」を育て、描きたい衝動がいっぱいたまる生活を豊かにつくることが、大人の責任と考えています。

0歳

人間の一生で身体も心も最も急激に発達し、体重は3倍、脳の重さは2倍になります。
たっぷり飲み、食べ、寝て、動き、新鮮な酸素と栄養を脳に運びます。首の座ってない赤ちゃんも正面から抱っこしみつめると、じーっと目を合わせ「ングー」と声を出し、4カ月になると自分から笑いかけるようになります。身近な人と“関わりたい”気持ちが意欲の土台となり、自ら外界に向かう力を広げます。

1歳

よちよち歩きが始まり、行動範囲をどんどん広げていきます。水・砂・土でたっぷり遊びます。何でも自分でやってみたいし、まねをする模倣の時期。指さしや片言も豊かになり、共感するまなざしを求めます。「イヤイヤ」と自分の思いを通そうとするのは、自我の芽生えなのです。

2歳

走れるようになり、両足とびができる頃、話し言葉が出てきます。友達と遊ぶことが大好きになり見立て遊びやごっこ遊びも始まります。何でも“自分で”しようとします。ダダこねも始まりますが、それは強い自分の思いがあるからです。「これなーに」「なんで」と何度も話しかけ言葉での関わりも求めます。

3歳

友達大好き!仲間と遊び呆けたい時期です。
友達との関わりの中で“自分でもやってみたい”“自分でする”という気持ちを強く持ち動き回ります。友達のすることに興味があり、同じような思いがぶつかりあうのでケンカも多いです。

4歳

いろいろなことが言葉で理解できるようになり、ルールのある集団遊びも成立します。様々な体験や友達との関わりをくぐって、自分の得意なこと、苦手なことがわかってきます。人や物への憧れをどんどん膨らませ、仲間や大人の励ましを受け、苦手なことにも取り組み自信をつけていきます。

5歳

4歳児期に芽生えた社会性や自制心、そして身体が育ってくると、雑巾がけ、布団干し、当番活動など仲間と一緒の遊びや労働を喜びます。山や海などに世界を広げ冒険を求めます。この頃から体験したことが絵にも表現されます。

6歳

6歳の脳は大人のほぼ90%に育ち、体力もつき、指先まで自由に動かせるようになります。自分の課題を見つけ集中し挑み続け、一人だけでなく仲間と共に頑張れることの中で自分の力を思い切り発揮し“やったらできた”と達成感や充実感を身体と心に刻んでいきます。
大好きなお話を聞いて、イメージ豊かに描きます。

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