保育カレンダーc
食べる ~子どもの心と体を育てる食の力~
食べる意欲は生きる意欲と言われるほど、食事は大切なものです。特に人間としての土台を育む乳幼児期に「何を食べるか」はとても重要です。“体にいい食材をバランスよく日常的にとって健康を保てば薬などいらない”という医食同源の考え方にならって、子どもたちの「食」を大切に考えていきたいものです。
冷凍食品、ファストフードなど手軽に食べられるものが氾濫し、食卓の欧米化が進むなか、改めて日本の食文化である和食が見直されています。一汁三菜を基本とし、旬の恵みを取り入れた栄養バランスの良い和食は世界的にも注目を集め、ユネスコ無形文化遺産にも登録されました。私たちの交流園でも和食を基本にした手づくりの給食を大切にしています。
食べることは栄養を摂り入れるとともに、五感の情報を脳に入れる行為でもあります。調理の音を聞きながら、きれいに盛り付けられた食卓を目で見て、手を伸ばして触り、においとともに味わう。五感を同時に使って自ら食べる体験の積み重ねによって、食べる力が育まれます。
朝食抜きの家庭が増えているなか、子どもたちの健康面での問題が取り上げられています。充実した日々を送れるよう、一日の活動量を支える朝食は特に大事なものです。
食育
年間を通しての畑作りや散歩先で見つける食べられる草花などから、その季節ならではの食材を知り、多くの発見をしながら、食べることへの意欲に繋げていきます。時には、調理員の力を借りて自分たちで育てた野菜を料理するなど、様々な経験から食べる喜び、仲間と協力する力、食の大切さを学んでいきます。
- ▲田植え
- ▲かじきマグロの解体をみる
おなかを空かせて
“空腹は最高の調味料である”ということわざがあるように、早起きをして、体を使ってたくさん遊び、お腹を空かせて家族や園の仲間と会話をしながらとる食事は、何よりおいしいものです。おかわりができる量を十分に用意し、子どものお腹と心を満たしたいものです。
食器
全国の交流園のほとんどでは、子どもが自分で扱える陶器や強化磁器の食器を使っています。小さいときから本物に触れることで感性を育てます。
- ▲わっぱ弁当
- ▲大皿のうつわ
- ▲強化磁器のうつわ
自ら食べる
《 乳児から幼児へ 》
たくさん遊んでお腹を空かせ“食べたい”という欲求が膨らんでくると、子どもは自ら手を伸ばし、口へと運びます。乳児のうちは手づかみで確認しながら食べ、幼児になると身体の発達とともにスプーンやお箸を使えるようになっていきます。
おやつ
《 おやつは第四の食事 》
子どもにとってのおやつは、栄養と水分の補給という大切な意味を持っています。三度の食事では摂りきれない栄養をおやつで補う必要があります。塩分、糖分、油分を控え、できるだけ手作りのおやつを心掛けたいものです。
- ▲乳児のおやつ(一例)
- ▲乳児のおやつ(一例)
手作りのきなこ団子
安全な食材・食品を選ぶ
農薬や遺伝子組み換え、添加物などが使われている多くの食品や輸入品がスーパーなどに並んでいます。私たちはこれから成長していく子どもの体に何が必要か、よく吟味して食材を選びたいですね。
▲園で育てた野菜を自分たちで収穫