保育カレンダーc
2018年カレンダー紹介
私たちは子どもの幸せを願って保育カレンダーを発行し、20年の時が流れました。
日本の社会は、子どもの育つ環境がどんどん劣悪になっています。親の長時間労働や貧困問題、保育所不足による待機児童問題などはたびたび問題視されていますが、いまだ解決には至っていません。そのような中、大人が気にかけてこなかったのが“子どものあそび環境の悪化”です。子どもはあそびの天才と言われますが、その才能を発揮するためにはゆったりとした時間と空間と仲間が必要です。しかし、開発によりあそび場は奪われ、習い事などにより遊ぶ時間もどんどん少なくなっています。そのため、昔は存在した子ども集団は、小さくなり消滅していきました。そういった社会を作り上げてきたのは大人です。子どもは日常的な自然体験や異年齢集団の中で遊ぶ体験を通し、さまざまなことを覚え、創造する力を身につけていきます。子どものあそびを保障する社会を作っていくことは、これからの大人の最優先課題と言えるでしょう。
こうした現代社会の中で、保育園や認定こども園、幼稚園は子どものあそび環境を保障する役割を担う重要な場であると考えます。私たちは自然環境のある立地を求めて園舎を建て、自然が生活の中にある保育を展開し、本物に触れることを大切にしています。また、子どもの発達に即した同年齢同士のあそびだけでなく、異年齢集団でのあそび体験を保障しています。これこそが乳幼児期の教育なのではないでしょうか。
子どもは自ら育つ力を持っています。そのためにあそびは必要不可欠なものです。子どもたちが自由に遊べる環境を提供することは大人の責務です。「どの子も育つ」ための環境が社会全体に整い、子どもたちが幸せに生き生きと暮らせる未来を願いながら、私たちはこれからも活動していきます。